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トリケラトプス(2010) 完成

トリケラトプス(成体)
作品サイズ 約40cm
スケール 1/20

Triceratops20101.jpg
Triceratops20102.jpg
 トリケラの成体、という事で製作。トリケラの成長過程での変化に関しては、こちらに纏めてます。前回のトリケラはもう少し小さい個体を基にしているのですが、参考にした学説の違いに加え、色も変えてしまったので、別の恐竜のようになってしまいました。
 と言っても、ちょうどこの作品完成直後にトロサウルスはトリケラの大型・成長個体だった、という発表があったので(去年のSVPの発表で言及されていたそうで、ネットではすでに話題になっていましたが)、その説に従えば、このトリケラも完全に成長しきった個体では無い事になります。トロサウルスとトリケラの発表に関してはLOKI:さんのブログで丁寧に解説されています。

Triceratops20103.jpg
 角竜の復元でここ数年話題だったのが、前肢の復元。これに関しては、Fujiwara, S.-I. (2009). "A Reevaluation of the manuos structure in Triceratops (Ceratopsia: Ceratopsidae)." Journal of Vertebrate Paleontology, 29(4): 1136-1147.、それに同じく藤原慎一さんによる「1/35 恐竜骨格モデルシリーズ・トリケラトプス」収録の記事を参考にしました。

s-R0011659.jpg
 製作途中の画像から。前肢の第二指(人差し指)が前方を向いています。また、第四指、第五指(薬指、小指)には爪がなく、またほとんど接地していない状態です。前肢の第四指・第五指に爪がないのは多くの恐竜見られる現象のようです。前肢の爪や指の形態は復元をする上で、結構気を遣う部位ですし、肩幅や前肢の動く範囲等、前肢周りはかなり難しいです。
 といっても、私の作品がそれを的確に表現出来ているかは自信無かったり。ヤマモトさんのパキリノサウルスのほうが再現度は高いような。

s-R0011748.jpg
背中のトゲは、、、まぁ、ダメ出しがあったら削っちゃえ、って事で。



主に参考にした資料・書籍
・Goodwin, M. B., Clemens, W. A., Horner, J. R., and Padian, K. (2006). "The smallest known Triceratops skull: new observations on ceratopsid cranial anatomy and ontogeny." .
Journal of Vertebrate Paleontology 26 (1): 103.

・Horner JR, Goodwin MB."Major cranial changes during Triceratops ontogeny."Proc Biol Sci. 2006 Nov 7;273(1602):2757-61.

・Fujiwara, S.-I. (2009). "A Reevaluation of the manus structure in Triceratops (Ceratopsia: Ceratopsidae)." Journal of Vertebrate Paleontology, 29(4): 1136-1147.

・Hieronymus TL, Witmer LM, Tanke DH, Currie PJ.(2009)."The facial integument of centrosaurine ceratopsids: morphological and histological correlates of novel skin structures."
The Anatomical record 2009, vol. 292, no9, pp. 1370-1396

・藤原慎一「復元研究最前線」(1/35 恐竜骨格モデルシリーズ・トリケラトプス)

Comments

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2010-08-01 03:29 
ヤマモト No.1708 [Edit]
ブログを紹介してくださってありがとうございま・・・って、めちゃくちゃプレッシャーじゃないですか!

製作途中の下からの画像では、普段の展示状態なら絶対見られないアングルからふらぎさんの作品を見られてよかったです。

藤原慎一さんの前肢復元にしても、今回のトロさんとトリケラくんの発表にしても、そういう新しい発見のもたらす驚きは古生物造形をやる上での魅力ですね。
2010-08-04 16:55 
ふらぎ No.1709 [Edit]
■ ヤマモトさん
>・・・って、めちゃくちゃプレッシャー
>じゃないですか!
ヤマモトさんなら少々ハードル上げたって
大丈夫そうですしね。


>そういう新しい発見のもたらす驚きは
>古生物造形をやる上での魅力ですね。
まさにその通りですね。
また、その新しい発見で驚けるのも、
それまでの研究を知っていれば余計に、です。
古い学説あっての新しい発見ですから。
そういう意味でも、過去の研究を知るのも
とても重要だと思います。
つい先日も、てっきりここ10年間での新復元と思っていた
部分に関して、30年ほど前にすでに論文が出ていた、
なんて事も判り、驚きました。
2010-08-21 16:38 
こっぺ No.1723
相変わらずすげー造形ですね!
でも前回のスピノに比べたら若干大人占めじゃないですか?
個人的にはナショナルジオグラフィックの別冊で見たスラッと足がまっすぐ伸びたトリケラのデザインが好きなんですw
2010-08-21 18:17 
ふらぎ No.1725 [Edit]
■ こっぺさん
 こちらには初めての書き込みかと思います。
初めて場合や、ハンドルネームを変更された場合は、
メールアドレス、サイトURL等、入力して頂けると
ありがたいです。宜しくお願い致します。

トリケラの前肢ですが、説明文で紹介している、
先日発表された論文(肘の角度にも言及されていたはず。
今、出先なので手元に論文が無いので
確認出来ないのですが)と、
トリケラの中でも大型の個体を元にした造形、
という事で今回のような表現にしてみました。
背中のトゲも含め、復元としては
スピノよりも「攻め」なのかも。
「攻め」の復元=派手な造形、では無い場合もあるのが、
復元の面白いところかな、とも。
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