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『江南行』


『江南行』佐々木泉
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『墨戯王べいふつ』の作者・佐々木泉さんの新刊。
呉の軍師・魯粛が主人公。
といっても、連載のほうでもまだ赤壁の戦いで、
周瑜がピンピンしてるので、軍師としての
活躍は描かれていません。
『演義』では、諸葛亮・周瑜・関羽に
良いようにあしらわれ、弄られキャラの印象が
強い魯粛ですが、最近では正史・史実からの
エピソードから、三国時代でも有数の大局観を持つ
軍師として評価が高まっていることも踏まえた上で、
さらに佐々木氏独自のキャラクター付けも加わり、
なかなか魅力的に描かれています。

派手な群雄の攻防の裏に隠れがちな、
しかし呉にとっては懸案事項だったはずの
山越に関するエピソード、
また赤壁戦前に反戦を主張したため、
どうも印象が悪い張昭にも、ちゃんと反戦の理由を
少しの台詞ですが説明させていたりと、
隅々まで登場人物への作者の想いがこめられています。

諸葛亮が、ちょっと線の細い人物として登場します。
が、当時まだ27歳で、それほど華々しい
功績も挙げていない訳ですから、こういう表現もアリかな、と。
いきなり威風堂々と呉に乗り込み、並みいる論客に
「だまらっしゃい!」と一喝する横光孔明も大好きですが。

前作もそうでしたが、佐々木泉さんは少ないコマ、短い台詞に
その人物の性格を背負わせるのが非常に上手いです。
特に、三国志のような、大勢のキャラクターが入り乱れる物語では、
1人の人物にさける分量はどうしても減る訳で、余計にその技量が
活きているように思います。
甘寧なんて、ほとんど活躍してないのに、もう完全に
キャラクター出来上がってるし。濡須・百人夜襲の
件なんか期待しちゃうけど、作者さんのコメントを読むと、
そこまで作品の時間が進む事は無さそうですね。

北宋・徽宗萌えの方は『墨戯王べいふつ』も是非是非!

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